TOKYO PACK2022で披露する新アイテム!五目炒飯用紙スプーンのご紹介です

先日の記事に続いてTOKYO PACK2022で展示する目玉アイテム・新商品の続報が来ました!
■五目炒飯専用!ガッツリいける紙スプーン
最近紙のカトラリーが増えてきましたが、紙製カトラリーはどうしても強度が劣りますよね。
がつっとご飯を食べたいのにへたってしまって使えなかった、という人もいるかもしれません。
今回三和紙工が展示する組み立て式紙スプーンは、板紙をロックする事で凹凸を維持すると同時に強度を保ち、がつっとご飯を掬ってもへたらない丈夫な紙スプーンです!
野外フェスやキッチンカーなど、外でモリモリご飯を食べたい時に、丈夫な使い捨てスプーンとしてご活用頂きたい商品です!
紙製スプーンでモリモリガツガツご飯を食べる、美味しそうでしょう?
最近流行のカトラリーの紙製化、なんで?
今年2022年4月に「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」、すなわち、俗に言う脱プラ法が施行され、それまでスーパーやコンビニで無料で配布されていたプラスチック製のスプーンやフォーク、ストローなどのカトラリーの有料化が義務づけられました。
それに伴い、カトラリー類の紙製化が一気に促進されました。大手珈琲チェーン店やレストランなどが紙製のストローを導入。スーパーなどでも紙製のカトラリーを用意するようになりました。
その背景としてSDGsという言葉が語られているのですが、
皆さん
SDGsって何の事か、ご存じでいらっしゃいますか?
SDGsと脱プラとがどういう関係なのか、知っていますか?
実は知らなかった中の人。
今回TOKYO PACK2022で新形状アイディア紙スプーンをお披露目すると知って、大慌てで勉強しました!!!
脱プラの理由はSDGsじゃなかった!
勉強し始めてまず知ったこと。
それは、脱プラ法の施行の理由はSDGsではない、という事でした……何だってー?!
SDGs、すなわち持続可能でよりよい世界を目指す国際目標。
プラスチックは石油原料製品、つまり将来枯渇が確定しているものですから、持続可能な世界を作るためにプラスチック製品を減らそうという事なのかな……と、勝手に思い込んでいたのですが。
違いました……。
脱プラを国が協力に推し進めていく理由。それは!
プラスチックゴミによる海洋汚染が危機的レベルだから!
未来云々より、今現在、海がとんでもなくヤバイ、深刻な状況だったのです!!!
WWF(世界自然保護基金)によると、世界の海洋プラスチックの量は約1億5000万トン。 そして、毎年800万トンものプラスチックごみが海に流れてるという事なのです。
桁が大きすぎて想像できない!
ちなみに800万トンというのは、ジャンボジェット機5万機相当分だそうです。
そしてこれらのプラスチックゴミは自然分解されない為、環境を汚染し、生態系を一巡して、最終的には人間に深刻な被害をもたらすのです。
そもそもプラスチックゴミの問題が注目されるようになったのは、2016年の世界経済フォーラムがダボス会議で発表した衝撃的な予測からだったそうです。
この報告書によると、このまま対策を取らずにいると、2050年には海のプラスチックの量が魚を上回る計算になるという事なのです。
この時、プラスチック容器のリサイクル率は僅か14%。紙の58%や鉄鋼の70~90%を大幅に下回っていました。
報告書は、プラスチックのリサイクルを促進すると共に、海など自然界への流出を防ぐ対策の強化が急務だと指摘しました。
この問題、更に深掘りしていくと、特に日本は深刻な状況である事がわかりました。
その名も「マイクロプラスチック問題」です。
マイクロプラスチック問題
マイクロプラスチックというのは、一般的に5mm以下の大きさのプラスチックの事を言います。
プラスチックが、他の物との接触や紫外線の影響などで劣化して小さくなった物の事です。
このマイクロプラスチックですが、
プラスチックは小さくはなっても、分解される事はありません。
そして、その小ささ故に、更なる問題を引き起こします。
■海洋生物の生態系の破壊
海に流れ着いたプラスチックがどんどん細かくなりマイクロプラスチックになるとどうなるか。
魚類・甲殻類・貝類やカモメなどの海鳥、アザラシなどの海洋哺乳類が海水に混じったマイクロプラスチックを誤嚥してしまうのです。
プラスチックは消化されません。すると、誤嚥した生物たちは消化不全や胃潰瘍などを引き起こし、死んでしまう事があります。
■人体への直接的な影響
マイクロプラスチックが悪影響をもたらすのは海洋生物だけではありません。
漁獲された魚や、海から産出する食塩などにも、マイクロプラスチックが含まれています。
マイクロプラスチックの人体に対する影響についてはまだ有意なデータが存在しませんが、某かの影響を及ぼす可能性は充分にあるのです。
世界の海におけるマイクロプラスチックの分布
2015年に磯辺篤彦九州大学教授が行った調査によると、海洋に存在するマイクロプラスチックの個数は日本を含む東アジア海域が群を抜いて多く、172万個/㎢との事です。北太平洋(10万5,100個/㎢)の約27倍、世界の海(6万3,320個/㎢)の約16倍!
海洋大国日本の対策が一番遅れている?!
さて、ここまで深刻な「プラスチックゴミによる海洋汚染」問題ですが、日本の対応は世界各国に比べて大幅に遅れているのだそうです。
日本でもようやく今年2022年、レジ袋の無償提供が廃止されたり、プラスチックカトラリーの有料化が義務付けられたりしましたが、これらは世界では数年前には実施されていたとのこと。
国土の四方を海で囲まれた海洋大国日本、しかしながら、その大切な海を守る活動は後手後手に回っていたのだと知って、中の人はとてもショックを受けました……。
という訳で、
プラスチック製品を紙製品に変えていこう!という近年の動きは、SDGsの一環ではなく、母なる海の汚染を少しでも鈍化させようという動きだったのです。
環境破壊問題は環境破壊問題でも、未来に訪れるであろう資源の枯渇の問題では無く、既に危険域に達してしまっている海洋汚染を何とかしなくては!という問題だったのですね。
その点紙製品は、色々な点でプラスチック製品よりも問題点が少ないのです。
まず重要な点として、リサイクル率がプラスチック製品の3倍以上あります。
可燃焼却が可能なのでリサイクルされなかった使用済み廃棄商品もきちんと処理されます。
もしもリサイクルや廃棄処理をされずに不法投棄されてしまったとしても、(時間はかかりますが)分解され自然に還りますので、環境汚染率はかなり低いでしょう。
なお、もし自然界の動物が紙片を誤嚥してしまったら?という話ですが、これについては消化できる種族とできない種族とがあります。人間は紙を消化する酵素は持っていませんのでお腹を壊しますが、草食動物の多くは消化できますし、虫の中には好んで紙を食べる物もいます。消化される事が半永久的にありえないプラスチックとは大きな違いです。
諸々の点から、プラスチック製品を紙製品に置き換えていく事は、とても重要な事なのです。
「紙だって木材を原料にしていて環境破壊じゃないか、プラスチックの商品を紙製に置き換えればいいなんて朝三暮四だ!」と言う人がいますが、全然違います。
脱プラスチック問題の現時点での最大の焦点は、資源の枯渇問題ではありません。
今すぐ何とかしなければ死活問題となる、海洋汚染問題、ゴミ処理問題なのです!
2019年6月のG20大阪サミットでは
「2050年までに新たなプラスチックごみによる海洋汚染をゼロにすることをめざす」
という目標が世界各国と共有されました。
私達国民もこの目標に向かって各々の意識を変えていかなければいけないと思います。
それではSDGsとはなんぞや?
とはいえ、脱プラ問題とSDGsがまったく無関係かというと、そうでもありません。
SDGsには17の目標が掲げられているのですが、その中の2つが、脱プラ問題と大きく関わってきます。
No.12:つくる責任 つかう責任
No.14:海の豊かさを守ろう
です。
SDGsとは何か、というのを、外務省のJAPAN SDGs Action Platformを参考に、簡単に書いていきますね。
SDGsとは、
・2015年9月の国連サミットで採択された
・「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のために設けられた
・2030年を年限とする
・17の国際目標(及び、その下にある169のターゲット、232の指標)
の事です。
概要は以下の通り。
(1)貧困:貧困をなくそう
(2)飢餓:飢餓をゼロに
(3)保険:すべての人に健康と福祉を
(4)教育:質の高い教育をみんなに
(5)ジェンダー:ジェンダー平等を実現しよう
(6)水・衛生:安全な水とトイレを世界中に
(7)エネルギー:エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
(8)成長・雇用:働きがいも経済成長も
(9)イノベーション:産業と技術革新の基礎をつくろう
(10)不平等:人や国の不平等をなくそう
(11)年:住み続けられるまちづくりを
(12)生産・消費:つくる責任、つかう責任
(13)気候変動:気候変動に具体的な対策を
(14)海洋資源:海の豊かさを守ろう
(15)陸上資源:陸の豊かさも守ろう
(16)平和:平和と公正をすべての人に
(17)実施手段:パートナーシップで目標を達成しよう
……実は中の人、これらを見てちょっとびっくりしてしまいました。
SDGsというと環境保全・保護に関する問題ばかりが取り沙汰されているので、てっきり環境問題がメインの物だと思い込んでいたんです。
でも、実際に見てみたら、まったく違いました。
SDGs17の目標の内、トップに来るのは貧困対策。
飢餓、健康、教育、そしてジェンダー問題。そして……
それらについて具体的な169のターゲットと232の指標が作られていたのですね。
改めてよく勉強しなければいけないものだと思いました。
紙のリサイクルもよろしくお願いします!
さてここまで脱プラ問題という事でプラスチック削減の話をずっとしてきましたが、最後に紙のリサイクルについての話をします。
我々が利用している紙の多くは、原材料として木材を使用しています。
その為、紙をリサイクル(古紙回収)する事は、新たな森林の伐採を抑制する効果があります。
製品の材料をプラスチックから紙に変える事でゴミ問題・海洋汚染問題は多少軽減できますが、地球資源の枯渇問題は依然として残っています。
材料をプラスチックから紙に変えたら、次はリサイクルへ、もう一歩進んで頂けると嬉しいです。
と言っても、紙の分別リサイクルって難しいですよね。
古紙は大きく分けて以下の5つに分けられます。
・新聞
・段ボール
・雑誌
・飲料用途パック(牛乳パック)
・雑紙
リサイクルでは、再利用ができる紙と、混ざってしまうとリサイクルの邪魔をしてしまう紙とがあります。
再利用できる紙は分別して古紙回収日に出したり、資源ゴミとして回収ボックスに入れて頂き、よくわからない紙は可燃ゴミとして焼却処理ゴミにする。
これだけでも環境資源の保護にとても役立ちますので、どうぞご協力をよろしくお願いいたします!